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未来の子どもたちのためにできること

コラム

最近は色々と考えさせられるニュースが多いですね。ジャニーズ問題、日大の問題…。他にも戦争やテロなど。人の心に何が起こったのだろうと不安になり、心配になります。

私は昔スポーツをしていた者として、日大アメフト部の大麻事件の報道が気になりました。日大アメフト部は今回の大麻の事件の前の2018年に危険タックルの事件もありました。あの時、勝つためには何をしても良いのか?と違和感を覚えました。そして今回の大麻所持事件。選手たちにはモラル、常識という概念はなかったのか?自分たちのしていることは犯罪だという認識はなかったのか?

スポーツ推薦というシステムがあります。高校時代に実績を残した有望な選手は特別な待遇を受け大学へ進学できます。最近はそのシステムが低年齢化して、中学から高校へもそのスポーツ推薦で進学する生徒が増えています。有望な選手が良い環境で、良い指導者に出会える機会が増えたことで、日本のスポーツ界でも世界に通用する選手が多数輩出されていることは事実です。

子どもたちが、良い環境で、良い指導者に恵まれてスポーツができることは素晴らしいことです。必死に練習をして、技術を磨き、試合や大会で成績を残し、それを認められる。努力の結果、推薦をもらい、さらに良い指導を受けることができる。私も今まで必死に努力をしてスポーツ推薦で入学した生徒を何人も見てきました。

日大の選手の話に戻りますが、名門大学の名門部です。スポーツ推薦の大学生も多かったのではないでしょうか。では、なぜ努力で勝ち取って入学した大学で犯罪を犯してしまうのか。それにはいろいろな要因があると思います。自分1人でここまで来たのではない。周りにいる人たちのおかげでここまで来れたという感謝の気持ちや、一緒にやっている仲間の気持ちを考えるという人として持つべき感情が不足していたのではないか。何か勘違いをしていたのではないか。また大学を運営する大人たちには大きな責任があると思います。部員の多くが違法薬物を使用していると知りながら、大学の保身、自らの保身の為に事実を隠蔽したという事実。露呈すれば大学の助成金が減額されたり、助成金がもらえなくなるという事態を恐れて上層部が事実を有耶無耶にしようとしていました。

人は生まれて、長い年月を生きていく間に、経験を重ねることで地力、財、人望、実績を積み上げていきます。その結果がその人の人生の厚みであり深みであるとも思います。そうやって地位や名誉が与えられることもあるでしょう。何かの拍子でそれが崩れることもあります。自分の力の無さかもしれない、人によるものかもしれない。でもそんな時でもまた、積み上げていけばいい。私はそう思います。

日大の事件に関わった大学生には自己を振り返り、そこからまた積み上げていってもらいたいと思います。そして運営側の大人たちには考えてもらいたいのです。アメリカンフットボールに青春を捧げ汗を流し厳しい練習に耐え、試合で必死に頑張る選手たちのこと、彼らの試合を見て元気や勇気をもらった多くの人たちのことを…。

そして高校の部活動に携わる方々にも考えてほしいと思います。高校生とはいえ、まだまだ経験が浅い子どもたち。子どもたちは未来の宝、大切に大切に指導してやってほしいのです。何か一つのことを突き詰めることも大事ですが、スポーツ、学業、人としての道、いろいろなことを丁寧に教え、経験して、諭してあげることで、更に1つの分野での力が発揮できると思います。

中学3年生の子どもたちの進路の決定、高校入試、大学入試に向かって全員で乗り越える季節となりました。塾の実績のためではなく、子どもたちが新しい未来に希望を持って進んでいけるような道を一緒に考えていきたいと思います。

 

「起きて半畳寝て一畳、天下取っても2合半」

私が自分に言い聞かせている言葉です。物の豊かさや名声ではなく、精神的に豊かな空間で過ごせることが幸せだと思います。