進栄セミナー

ボスのつぶやきBOSS TWEETS

はじめての・・・・・

コラム

突然ですが、先日我が家で飼っている犬の「とら」がけがをしました。私たちの留守中の出来事で、おそらくソファに飛び乗った際に「脱臼」したのではないかと病院で診断されました。

私たちが帰るといつも玄関まで走って出てくるのですが、その日、痛い方の足を上げて3本足で駆け寄ってきました。その日から我が家は大変でした。というのもその日から「とら」は足を痛がるだけでなく、エサも食べない、水も飲まないトイレも行かないただただじっとうずくまり、起きているのか寝ているのかもわからない全く元気がない様子でした。

病院へ行って足のレントゲン、血液検査、痛み止めの注射、食欲が出るようにと薬をもらい、毎日診察に通いました。幸い、脱臼はそんなにひどいものではありませんでした。しかし!丸2日経っても何も口にしません。病院の血液検査でも食欲がなくなるような原因は見当たらないと言われました。何か食べさせなくては、と思い「とら」が喜びそうな犬用のおやつやサツマイモをふかしたものを食べさせました。しかしそれがだめでした・・・。おやつやイモは口にするようになりましたが肝心のドッグフードを食べなくなってしまったのです。私は家族に「我慢させることも大事。好きなものしか食べなくなってしまう」と怒られました。餓死するのではないかと心配になり、喜びそうなものを与えてしまったばっかりにそこからまた2日おやつを我慢させる羽目になってしまいました。幸い今は元気になりドッグフードもしっかり食べるようになりました。足の具合も良くなり走り回っています。言葉が話せない動物には「今はいいけど元気になったらダメやで」なんてことは通じるわけはなかったのです。

結局「とら」の食欲不振の本当の原因はわかりませんが、察するにけがの痛み、病院での注射、点滴など初めてのことばかりからショックが大きかったのではないかと思います。

話は変わりますが、私は今と違い、若いころはとても緊張するタイプの子でした。高1の春クラブ(実は私はバレーボール部でした)の試合でレギュラーで出場することになりました。大阪ベスト4をかけた試合でした。当日大阪府立体育館(今のエディオンアリーナ大阪)のコートに立った瞬間から1セット目の10点まで全く記憶がなく、どんなプレーをしたかまるで覚えていないのです。昔のことだから忘れているのではなく、その前後のことは鮮明に覚えていて、その証拠に10点の直後私は極度の緊張状態が続いたせいか脱水症状を起こし倒れてしまいました。メンバーチェンジをさせられ、ベンチ裏に運ばれて初めて正気に戻ったのは覚えています。初めてのレギュラーでの試合、大きな大会でのプレッシャーなどのショックが大きくそんな事態になってしまったのだと思います。

初めてのことに対してうまくいかない時、思っていた結果でなかった時、予想していたことと違う事態になった時、人間も動物も大きなショックを感じるものだと今回の我が家の「とら」のこと、私自身の若かりしときの経験から感じました。

はじめての経験と言えば中学1年生は初めての定期テストがありました。テスト2週間前から課題を配布したり、自習室を開放したり、質問日を設けたりしました。通常の授業時間にも、定期テストの重要性、課題の重要性を伝えてきました。しかし初めての経験ということもあり、他の2年生、3年生に比べるとスタートが遅かったり、大人が思っているようには学習しない生徒もいました。テストが返却されて点数が出てくると「100点取れると思ってたのに」「もっとテスト勉強したらよかった」「中学校のテストってこんなに難しいんや・・・」という声が聞かれました。

「だから言ったやろ」と塾でも家でも言われた中1生。今回の反省や課題を次からのテストに活かしてください。失敗も経験の内。今回の失敗は次回の糧になることでしょう。さっそくテスト終わりに「テスト1週間前はスマホは触らないことにした!」と宣言している生徒がいました。先生はその約束ちゃんと聞きましたよ!

こんな風に子どもたちは、いろいろな「初めて」を経験し、失敗し、ショックを受け、悩み、自分自身に色々な制約を課して未来へ向かって日々成長していくのでしょう。

これを読んでいただいている保護者の方々も様々な経験をされてきたことと思います。決して順風満帆な人生ではないでしょう。今も子育てに悩み、苦しみ、右往左往されている方もたくさんおられると思います。かくいう私も今も子育て(二人の娘は20歳をすぎていますが・・・)に悩むこともあります。

親子の絆は案外簡単なところにあるのかもしれないと感じることがあります。食事もその一つ。何気ない会話ですら親子の絆を深めます。子どもから何かを聞き出してやろう、相談に乗らないと、なんて考えず、テストも点数の悪かった科目を叱るより1つでもできていることを「すごいな」と褒めてやってください。保護者の方の中学生時代のテストでの失敗談をしてあげてください。保護者の方のテスト必勝法でも伝授してやってください。勉強の話だけでなく、保護者の方の趣味の話、若かりし頃の恋の話でもいいんじゃないでしょうか。いろいろな経験談をしてみてください。初めは聞かないかもしれません。でも子どもたちはきっと耳を傾けます。

私たちも日々子どもたちにわかりやすい授業を心がけ、時に厳しく、時に熱く接していこうと思っています。

したい人10000人、始める人100人、続ける人1人。

上手にやろうとするから無理が出る

頑張ってやらなきゃと思うから辛くなる

夢中でやれたら最高だ