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塾長コラムCOLUMN

『親と子の心の対話』

コラム

新緑がまぶしく、初夏の気配を感じる季節となりました。

ゴールデンウィークも終わり、子どもたちの元気な声が教室に戻ってきています。

先日の連休中、出かけ先の飲食店で、とても対照的な二組の親子を見かけました。

一組目は、小学校低学年くらいの男の子とご両親。料理を待つ間、男の子が

「今日の動物園、カワウソが一番かわいかった!」

と嬉しそうに話していました。するとお父さんが、

「なんでカワウソが一番やったん?」

と笑顔で聞き返し、お母さんも

「写真撮る時めっちゃ嬉しそうやったもんな」

と会話を広げていました。

特別な話ではありません。でも、その子は自分の話を“聞いてもらえている”安心感の中で、次から次へと楽しそうに話していました。親子の会話というのは、こうした何気ない積み重ねなのだと感じました。

一方、別の席では、中学生くらいの男の子とお母さんが座っていました。二人とも食事が来るまで無言。お母さんはずっとスマホを見ていて、子どももゲーム機に夢中でした。ようやくお母さんが口を開いたと思えば、

「宿題やったん?」

の一言だけ。子どもは

「あとで」

とだけ返し、再びお互い画面へ目を落としていました。

もちろん、スマホが悪いわけではありません。

便利ですし、私自身も使います。

ただ、気づかないうちに同じ時間を過ごしているだけ”になってしまうことがあります。

塾でも、「家ではほとんど話していないです」と話す生徒が増えています。

しかし、よく見ていると、家庭でしっかり会話がある子ほど、自分の考えを言葉にする力があります。わからない問題にも「どこがわからないか」を説明でき、素直に質問することができます。反対に、普段から会話が少ない子は、自分の気持ちを言葉にすること自体が苦手な場合があります。

勉強を支えるのは、教材やテクニックだけではありません。

今日どうやった?」「疲れてへん?」

そんな短い会話の積み重ねが、子どもの安心感や自己肯定感につながっていきます。
忙しい毎日だからこそ、スマホを少し置いて、お子さまの話に耳を傾ける時間を大切にしてみてください。

親子の何気ない会話こそが、子どもの心を育てる一番の土台なのだと思います。